
(鹿島戦のスカウティング記事ですが、今回は記事を作る時間があまり取れず軽めの内容です)
今週末は5連勝をかけて、鬼門Awayの鹿島戦ですね。
マリノスも絶好調ですが、監督交代で鹿島も一気に調子を上げています。
苦手な対戦カードですが、今年はセレッソにも勝ちましたし、嫌なジンクスを払拭できる年であると期待しましょう。
水曜に川崎が仙台と引き分けたことで、川崎との最大勝ち点差が3となり自力優勝の可能性が復活しました。
それにしても、マルティノス選手のゴールには感動しましたね。
2019年にもFC東京相手にシーズン初ゴールを決めてくれたり、マルちゃんは要所でマリノスを助けてくれます。
川崎が今後どうなるかはわかりませんが、こちらは一つずつ勝利を重ねるだけですね。
マリノスが勝ち続けることで、川崎には「追われるプレッシャー」を感じてもらいましょう。
ベガルタ仙台が川崎から削ってくれた2つの勝ち点を無駄にしないためにも、鹿島を下して連勝街道を突き進みましょう!
<相馬サッカーで蘇った鹿島アントラーズ>
ザーゴ監督から相馬監督へと監督交代以降、V字回復で成績を上げている鹿島アントラーズです。
J2町田での相馬サッカーは、「縦横コンパクトに圧縮したシステムで逆サイドは大きく空いている。でも、そもそもそこにサイドチェンジさせない」というサッカーだった記憶があります(見たことは無く当時話題になっていたなという伝聞での記憶です)。
その予備知識を持って試合を見てみましたが、相馬監督のそういった色は鹿島でもかなり濃く出ていました。
当時は「J2では一気にサイドを変えられる選手があまりいないので有効」という話も聞いた覚えがありますが、J1でも同様の手法で好調というのが興味深いですね。
この名古屋との一戦では、公式記録で名古屋をシュート0に抑え、J1史上2度目(ホームチームのシュート0は初)の記録だったようです。
しかも、前節からかなりターンオーバーしてこの結果です。
手強い相手になりそうですね。
守備のコンパクトさが目を引くシステムなので、まずそちらから触れたいと思います。

名古屋の右SB成瀬選手がスローインを投げる場面ですが、これだけ同サイドに選手が密集しています。
鹿島の右SH遠藤選手や名古屋の左SB吉田選手は中継画面に映っていないのですが、前後の場面も見て作った図なのである程度正確な図だと思います。
これだけ逆サイドを開けると危険なのではないかと思いますが、やはりサイドチェンジを蹴らさなければ問題にならないという設計のようです。
スローイン時だけ特別かと言うとそうではありません。

右サイドを攻めていた名古屋が、一旦作り直すため最終ラインを経由して左サイドの前田選手までボールを繋いだシーンです。
鹿島自陣付近で映っていないのは名古屋のマテウス選手と鹿島の杉岡選手くらいで、左CBの町田選手がこれだけ右に寄っているのは映像でも確認できます。
この局面では、米本選手にボールを当てて前田選手が中に入ってくるので、前田選手に返さず米本選手がターンしてサイドチェンジできたら、名古屋としては面白かったかもしれません。
実際の展開では再度ボールを受けた前田選手が逆サイドを見るものの、小泉選手の左からのアプローチにより利き足の左足を封じられサイドチェンジはできませんでした。
仮にサイドチェンジされた場合は、ファーストディフェンダーが遅らせるうちにスライドをし直す、早めにクロスを上げられても高さに強い2CBを中心に跳ね返すということだと思います。
マリノスとしてはロングキックの精度の高いティーラトン選手(5)、松原選手(27)、扇原選手(6)、畠中選手(4)らを生かして一気に展開を変えるプレーがしたいところですね。
展開を変えた後はエウベル選手(7)、前田選手(38)のスピードで一気に相手守備を崩し、オナイウ選手(45)、前田選手、マルコス選手(10)でフィニッシュですね。
また、トップ下のマルコス選手が、相手の隙間で受けて散らして、時にはスルーパスを出して、というプレーがどれだけできるかも鍵になりそうです。
鹿島はネガティブトランジション(攻から守への切り替え)時の帰陣も早く、時にはプロフェッショナルファールも使ってきますが、カウンターでの攻略にも期待したいですね。
さて、相馬サッカーについて「コンパクトな守備」というのはイメージがあったものの攻撃については全く予備知識が無かったのですが、ポジション優位を生かしてかなり組織化された攻撃をしていました。

(スクショするときにGKの沖選手を省いてしまいましたが、後方にもう一人沖選手がいます)
ボール保持時の形としては3-1-5-1のように私には見えました。
相手の1列目の守備に対して、ボランチが一人降りる形で、2CBとダブルボランチの4人でボールを保持します。
そして相手の4-4ブロックに対しては、間にもれなく選手を配置します。
横幅を取るのはSBの仕事で、トップ下だけでなくSHも相手のライン間に位置します。
この試合では最前線が土居選手だったので、たまに土居選手がボールを受けにサッと降りてくることもありました。
ライン間で受けてパスワークで崩したり単独で突破、時には、相手の最終ライン裏にトップ下の小泉選手が飛び出して受けるなど、多彩な攻撃を繰り出してきます。
守備側が門を閉じようとすると、「隣の門からボールが入る」「大外がガラ空きになる」といった弊害があり、なかなか苦しいです。
鹿島のボール保持時の仕組みは4-4-2ブロックで守る相手には無類の強さを発揮しそうですね。
昔サンパオリ監督のセビージャが似たような策を取っていたかもしれません(ただ、あちらは2-1-5-2だったかな)。
マリノスとしては、ハイプレスで良い形でボールを供給させないということが重要になりそうです。
鹿島の受け手側は優位なポジションを取りますが、出し手側を制限するという考え方が大切ですね。
<選手評>
鹿島はセットプレーの得点がかなり多いので、コーナーキックなどセットプレーには気を付けたいですね。
犬飼選手、町田選手は高さがあり得点力もあるCBなので、彼らに仕事をされないようにしたいです。
この試合でベンチスタートだった荒木選手は、DAZNのプレビューショーでも紹介されていたように、鹿島の攻撃の中心選手なので気を付けたいですね。
名古屋戦でも、途中出場ながら杉岡選手のゴールを華麗にアシストしていました。
新加入のピトゥカ選手は長短どちらもパスが上手く、かなり良い選手でした。
守備の寄せも早くカウンターを許しませんし、予測が良くてボール回収能力も高いです。
いずれはこの選手がボランチのファーストチョイスになりそうですが、名古屋戦でフル出場だったのはマリノスにとってラッキーなのかもしれません。
1トップは、おそらくマリノスの天敵、上田選手でしょうね。
この試合でも、途中出場で惜しいヘディングを放ったり的確なポストプレーをするなどかなり目立っていました。
<鬼門だろうと関係ない!>
Away鹿島戦ということをあまり意識しすぎず、勝ち点3獲得のため全力を出し切って欲しいなと思います。
今のマリノスはどこが相手でも勝ちきれそうな雰囲気がありますよね。
私たちもそれを信じて全力で応援しましょう!!
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