
横浜ダービー、5-0の勝利!!
最下位で苦しむ相手とは言え、やっぱりこれだけの大勝は嬉しいですね。
「V字回復は横浜ダービーから!」という記事や、早川監督の「このダービーで勝つことで一気に流れを変えることができる」というコメントに、「マリノスを踏み台にとは舐められたものだな」と内心思っていたので、尚更スカッとしました笑
BSでは中村憲剛さんが解説だったみたいですが、この試合を見て彼がどんなことを言っていたか聞いてみたかったな(今どきBSが見られない環境という笑)。
個人的には(完全に私事ですが)、スカウティング記事やスタメン発表記事で書いたことが当たっていたところも割とあって、その点も嬉しかったです。
チームの雰囲気も最高ですね!!
レオ選手(9)のゴール後のベンチの雰囲気、ポジションを争うオナイウ選手(45)ですら大はしゃぎしているなんて、レオ選手もきっと嬉しいでしょう。
想像でしかありませんが、『長期間入国ができない』『入国後2週間の隔離期間』『9番ポジションで活躍する選手たち』・・・。
「もう自分抜きでもある程度完成しているのでは」「自分は果たして歓迎してもらえるのだろうか」といった気持ちになっていてもおかしくないのではないかと。
マリノスはファミリーの意識が強いのがほんと素晴らしいです。
「食事のときに固定席が決まっていない」ことに加入当時の水沼選手(18)らは驚いていましたしね。
優勝した2019年もポジション争いする選手同士が異様なほど仲が良かったです。
このあたりはボスのマネージメント力と選手の意識の相乗効果でしょうね。
でも、レオ選手自身もあれだけ実戦から遠ざかる中で、肉体をある程度維持してきたように見えるのはすごいことです。
まだまだ体力的にはしんどそうですが、これで彼も一つのスタートが切れました。
今後ますますの活躍に期待です。
大勝に終わった今回の記事では、横浜FCのハイプレスに対するマリノスの多様なビルドアップについて記事にしてみました。
<ハイプレス”っぽい”守備はマリノスのお得意様>
ちょっと挑発的な見出しにしましたが、ダービーマッチですしたまには良いですよね。
マリノスは、アビスパ福岡のハイプレスには苦しめられましたが、横浜FCの完成度のプレスだとマリノスにとっては最高の相手になってしまいますね。
だからと言って横浜FCは引き気味に守れば良かったかと言うと10:52を見るにそれも怪しいですが。
J1残留に向けて守備の整備は急務となりそうです。
さて、本題に入っていきます。
ボールを持つマリノスに対し、横浜FCは前線からプレスをかけてマリノスのボール保持を阻止しようとする姿勢を見せてきました。
実際、01:27に前線で奪えたことで手応えを感じてしまったことが(結果論ですが)彼らにとっては不運だったのかもしれません。
採用面接でもそうですが、第一印象は後を引きますからね。
最初からプレスが空転し続けて「仕方ないからドン引きにしよう」と開き直った方がまだ良い結果になった可能性はあります。
04:00のシーンです。


畠中選手(4)からチアゴ選手(13)にボールが渡った瞬間、伊藤選手が猛然とチアゴ選手を追いかけます。
しかしボールは松尾選手と瀬古選手の間で待つ小池選手(25)へ。
場面は変わって直後の04:52。


今度は中央で偽SB的に受ける小池選手に対して松尾選手が寄せます。
そんな松尾選手を見て喜田選手(8)がアウトサイドへ開いていきます。
最も近くにいる齋藤選手は喜田選手についていきたいのですが、そうすると小池選手からマルコス選手(10)に縦パスが入るので、小池選手がボールを持つ間は喜田選手についていけません(小池選手が縦パスを入れられないくらい松尾選手が寄せていれば喜田選手についていったと思います)。
小池→チアゴと渡ったボールは悠々と喜田選手へ。
こうして1分間のうちに2つの策で、相手のプレスを無効化することに成功しました。
ここでプレスをやめようと判断するには、01:27の成功体験は重くのしかかりますよね(しつこい笑)。
また、マリノスの相手が後半足が止まる傾向にあるのはこういった場面の繰り返しだからかなと思います。
04:52のシーンで、全力スプリントを100とするなら、喜田選手は60くらいの走りを3秒間すればいいのに対し、齋藤選手は1秒間0で2秒間90って感じですからね。
その鍵を握るのは巧みなポジショニングなので、サッカーを日々頑張る子どもたちにはポジショニングの大切さを伝えたいですね。
話が逸れましたが、次のシーンです。


チアゴ選手からエウベル選手(7)にボールが渡るシーンで、小池選手は武田選手の空けたスペースに走ります。
この際に手塚選手が小池選手についていくことになりますが、「手塚が小池についていくならオレが受けるよ」とマルコス選手が中にいるのも良い意味でいやらしいですよね。
エウベル選手は小池選手をチョイスしましたが、武田選手の激しいアプローチでチャンスには至りませんでした。
この場面で小池選手とマルコス選手の双方に通じるのは、「走る相手の背中を取ることで、相手がいなくなるスペースでボールを受けられる」という戦術眼です。
先ほどの喜田選手も同様の動きでしたね。
冷静に考えれば当たり前のことですが、それを継続的にピッチで表現できるのは簡単ではありません。
マリノスの選手たちは本当にサッカーIQが高いです。
大好きなマリノスを本格的に戦術的に見始めたのは今年からですが、選手や監督への尊敬の念が増しました。みなさんすごい!
試合を見返す方は、何気ない場面ですが18:04の喜田選手の守備も見てほしいです。
小池選手が左サイドまで出張しているのを見て、時間を稼ぐために絶対に相手に前を向かさないよう圧をかけています。
話がまた逸れましたが、こういった流動性のある攻撃を機能させてもらえる相手にはワクワクするサッカーが見られそうですね。
横浜FCにとってハイプレスがハマったと感じたであろうシーンも触れましょう。

横浜FCが高い位置でボールを奪おうと試みたシーンです。
しっかり人を見ることで横浜FC側はハメることができたと確信したと思いますが、畠中選手がふんわりパスを中盤のスペースに置き、そこでオナイウ選手と待ち合わせです。
奪えると感じただけに、相手からしたらガクッと来るでしょうね。
このように、相手のハイプレス風の守備に対して多様な策で好きなようにビルドアップできたことでマリノスが主導権を握った試合となりました。
プレスに対するシーンでは無いので詳細は割愛しますが、武田選手が不在のスペースに目ざとく陣取るマルコス選手とそれを見逃さないティーラトン選手(5)も素晴らしかったです(30:11)。
<相手がコンパクトに守るなら>
余談としてもう少し語らせてください。
横浜FCは引いて守ろうとする場面もあり、その際にコンパクトであるのは良いのですが、反面逆サイドを大きく空ける傾向があります。
どこかを密にすればどこかが空くのは仕方ないことですから、必ずしも悪いこととは言えないのですが、サイドチェンジされた後に大きなスペースを守り切る守備力があるかと言うと微妙なところです。
スカウティング記事で「扇原選手やティーラトン選手のサイドチェンジが見どころの一つになるかもしれません」と書きましたが、やはりそういった場面もいくつも垣間見えましたね。

(上図、齋藤選手→手塚選手の誤りです。失礼しました。)
この試合一本目の扇原選手のサイドチェンジはそのままタッチラインを割りましたが、これはあらかじめ準備された狙いのようで、こういったシーンが他にも出てきます。

今度はしっかりとエウベル選手にサイドチェンジを通し、彼に仕掛けられる機会を与えることに成功しました。
他にもサイドチェンジの機会は、32:32(扇原選手)、39:53(ティーラトン選手)、78:57(エウベル選手)と扇原選手(6)に限らずチームとして度々見られ、相手の守備の弱みをピッチで表面化させていました。
マリノスの分析スタッフの頭脳とそれを具現化する選手・監督の力の融合ですね。
<横浜FCの修正>
余談パート2です。
後半開始から横浜FCが押し返した要因だけ、私が感じたことを簡単に記録に残しておきます。
最も大きな要因は、やはりスピードのあるマギーニョ選手の対応に苦しんだことでしょう。
流れを引き戻そうと後半から投入の彼が躍動していましたし、前半は松尾選手側からの攻撃が多かっただけにその変化に慣れるまで時間がかかったと考えられます。
もう一つは「3点目を奪われる前に1点返せばこの試合わからないぞ」と開き直ってハイプレスのギアを上げた、もっと言うと自陣最終ライン裏は捨て気味に前がかりになったことです。
例えば、畠中選手が前半見せた中盤スペースへのふんわりパスを後半高丘選手(1)が試みましたが、それに対し思い切って伊野波選手が対応するようになっていました。
マリノスとしては大きく最終ライン裏へロングボールを蹴ることで、相手の最終ラインを牽制しても面白かったかもしれません。
ただ、後半開始から3点目が生まれるまで相手に少し押し返されましたが、流れを奪われたわけではありません。
終始押せ押せだった前半の流れから少し変わっただけで、高丘選手の確かな対応もあって主導権を渡さず3点目を奪えたのですから、十分良い試合運びだったと思います。
<良い流れで3連勝へ>
他にも「小池選手の1対1の守備でのステップ」「3点目のオナイウ選手の走り直し」「途中出場選手の高いモチベーション」など戦術面じゃないことも含めて語りたいことはたくさんありますが、このあたりにしておこうと思います。
最高の週末だったので、勢いそのままにリーグ3連勝といきたいですね!
現地で応援された方はお疲れ様でした。
さぞ楽しい90分だったかと思います。うらやましい笑
私は基礎疾患持ち(笑)なので、コロナ終息まではDAZNとお友達です。
でも、こういった形にはなりますが、マリノスを応援するものとしてできる限りブログを書いていこうと思いますので、お時間あるときだけでもまた見に来ていただけたら嬉しいです。
マリノスの連勝街道を期待して、みなさん引き続き応援していきましょう!
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