【レビュー】2021明治安田生命J1リーグ第12節、FC東京 VS 横浜F・マリノス

分析

3-0の快勝で3連勝!!

横浜FC戦に引き続き、気持ちの良い勝利でしたね。

ルヴァンも突破を大きく引き寄せていますし、チーム状態が最高です。

チームのプレーモデルが選手を成長させてくれるものですが、まさにそんな感じで日に日に選手がレベルアップしていますね。

オナイウ選手(45)、J1初のハットトリックおめでとうございます、そしてありがとうございます!

彼には普段ネット上で厳しい声も散見されますが、本来ポストプレーヤーじゃない選手がポストプレーヤーに改造されている途中ですから、暖かく見守ってほしいです。

エジガル選手に慣れて、みなさん目が肥えすぎです笑

大島コーチからたくさん吸収していると思いますから、シーズンが終わる頃にはきっと驚くような選手になっていますよ。

そして、エウベル選手(7)キレキレでしたね。

彼は、マテウス選手からパワフルさを引いて、しなやかさと巧みさを足した感じですかね。

体幹は強いですし五分五分以下のボールからスルッと抜け出せるのはすごいです。

試合前のスタメン発表記事で、「マルコス選手(10) VS 森重選手」を注目のマッチアップにあげました。

「ハイプレスを仕掛けるFC東京に対して、マルコス選手がどれだけビルドアップの出口になれるかが一つの鍵です」と述べましたが、スペースを見つけて受ける動きはさすがでした。

喜田さん(8)も縦横無尽!

守備での貢献はもちろん、攻撃時にも巧みなファーストタッチで抜け出すシーンもたびたび見られましたね。

チアゴ選手(13)、畠中選手(4)、高丘選手(1)を中心に、守備陣はこの安定感が当たり前になっているのは頼もしいです。

レオ選手(9)はコンディションはまだまだですが、フィジカルもスピードもなかなかありますしポスト時のファーストタッチなど安定しているので心配していません。

むしろ、オナイウ選手や前田選手(38)に疲れがたまってくる時期に、レオ選手はピークを迎えるでしょうからチームにとっては良いことでしょう。

中継では、解説の戸田さんが終始ベタ褒めだったのも嬉しかったですね。

桑原さんも的確な実況で、お二人ともマリノスの良さをしっかり伝えてくださっていました。

対戦相手のFC東京は4-4-2に変更して試合に臨んできましたね。

アダイウトン選手がベンチスタートというのも含めて事前に予想までできていたわけではありませんが、スカウティング記事で分析していたので「なるほどな」と納得感はありました。

マリノスの攻撃力に対する長谷川監督のリスペクトもあっただろうなと察します。

さて、こういう試合の後のレビューは語りたいことが多すぎて嬉しい悩みです。

悩みに悩みましたが、喜田選手に注目して彼の適切な状況判断やポジショニング等を中心に語ってみたいと思います。

<イニエスタよりも首を振る神出鬼没の喜田さん>

マリノスで試合中に一番首を振っているのはおそらく喜田選手じゃないかと思います。

ボール保持時も非保持時もずっと首を振っていて、その頻度はおそらくイニエスタ選手以上ではないかと。

状況を把握し続けることで、周囲の仲間の位置に合わせてポジショニングを調整したりカバーリングしたり、相手の位置を見て誰のマークにつくかどちらに相手の攻撃を誘導するか判断する、こういったことを常におこなっています。

試合を見返す方もいらっしゃると思うので、時系列で特徴的なシーンについて触れていきます。

まずは、00:36のシーンです。

ボールを奪った森重選手から永井選手にパスが出ます。

永井選手のファーストタッチが少し大きくなったところ、すかさず体を入れてマイボールに。

間髪入れず奪い返しに来る安部選手に対し、扇原選手(6)のいる方向へダブルタッチでかわします。

扇原選手へのパスになればそれでも良し、自分が抜けられれば自分の方が体の向きが良いから自分がパスを出す、そんな判断でしょう。

さかんに首を振って味方と相手の位置を把握しているからこそできることですね。

(ここから数枚の図、負傷交代した内田選手のままになっています。失礼しました。)

右サイドの狭いスペースで松原選手(27)からパスを受けます。

直前に左に首を振って小川選手が遠いことを把握した上で、田川選手が松原選手についていくことを確認して前に持ち出します。

安部選手が松原選手の方向へ流れたことまで把握していたかはわかりませんが、ファーストタッチの際に気付いた可能性は十分あります。

仮にそうでなくとも、安部選手が寄せてくるようなら体を入れれば奪われないという判断は十分合理的でしょう。

エウベル選手のクロスをオマリ選手が弾き安部選手へ。

カウンターを仕掛けたいFC東京は、ディエゴ選手が松原選手不在のスペースへ流れます。

その間喜田選手は、ディエゴ選手へのパスコースを切り続け、喜田選手自身がボールをカットして事なきを得ました。

12:59のシーンは図にしても伝わりづらいので割愛しますが、相手のプレスをいなした場面です。

相手のゴールキックからの流れでプレスにはまりかけますが、喜田選手がティーラトン選手(5)をシンプルに使って、もう一度ボールを受けられるようバックステップします。

ティーラトン選手が自分の方へドリブルで抜けてきましたが、より体の向きとパスの選択肢の良さから彼の邪魔をしないという選択へ。

ティーラトン選手の巧みなアウトサイドキックでプレスを掻い潜り右サイドへ展開、最後はフリーキックを獲得というシーンでした。

オフサイドディレイにより東京のコーナーキックではなくマリノスボールのリスタートになった場面です。

一時的に、森重選手の1アンカーのような状態になっているのを見て、森重選手の脇にマルコス選手が入り、畠中→マルコスと縦パスが入ります。

マルコス選手に引き付けられる森重選手と安部選手は、逆のアンカー脇にいる喜田選手までケアできません。

マルコス→喜田とパスが通り右サイドへ展開。

時間をかけずに独力で喜田選手に通したマルコス選手も巧みなプレーでしたね。

ボールを持つ畠中選手に対して2トップ間で半身で待ちます。

勢い良く挟みに来た2トップに対して、判断よくトラップスルーのような形で前を向きマルコス選手へ。

永井選手の足の速さを気にして少し慌てたのかパスは強くなりましたが、正しい状況把握から喜田選手らしい素晴らしい受け方でした。

前田選手のスローインからティーラトン→チアゴと繋がった場面です。

チアゴ選手がフリーで受けられたので、すーっと相手の4-4の2ライン間に移動します。

こうすることで、チアゴ選手に対して「フリーだから自分で前に運んで来い」というメッセージにもなりますね。

松原選手を外に張らせて中で受けようとしたエウベル選手と被りますが、喜田選手に小川選手が、エウベル選手にオマリ選手がつかざるを得ません。

それに、狭いエリアをパスで崩すことも彼らはできますから、何の問題も無く良い動きです。

後ろでチアゴ選手からボールを受けていたら、ポジションを整える時間を相手に与えるだけですしね。

マリノスの攻撃を掻い潜りFC東京がカウンターを仕掛けたいシーンです。

森重選手からの浮き球をディエゴ選手がスペースに降りて受けます。

この場面、最終ラインが手薄で、特に松原選手が左サイドまで出ているため戻るのに時間がかかります。

喜田選手は「絶対に前を向かさない」「最悪ファールでも良い」という激しさでディエゴ選手を潰しに行き、時間をかけさせることに成功しました。

笛が吹かれずアドバンテージでもなかったことに対し、ディエゴ選手が不満をあらわにしていました。

次のシーンでラストですが、少し長めに振り返ります。

ティーラトン選手から畠中選手にパスが戻されますが、ボランチの一角に入った青木選手がティーラトン選手の近くまで釣り出されています。

マルコス「青木が帰ってくる前に青木のいるべきスペースでボールを受けたいな」

安部「青木さんが戻ってくるまで、自分がマルコスを抑えなくては」

こんな心境に二人はなっていそうです。

そして喜田さんが登場します。

首を振りながらすーっと安部選手の脇に陣取る喜田選手(同時に松原選手がサイドに開くのもGoodですね)。

あれだけ首を振られると相手も最終ラインから飛び出すことはできず、全ては安部選手に託されます。

安部選手は「一旦マルコスを捨てて喜田さんにつこう。でも、マルコスにパスが出たらカットしてやる」と考えますが、チアゴ選手のパススピードが素晴らしくインターセプトできません。

喜田選手が相手にとって嫌なスペースに入り込んだおかげで、マルコス選手がバイタルで前を向きました。

マルコス選手から最高のパスがエウベル選手に通りチャンスになったシーンでした。

図を用いたレビューはこのあたりにしますが、69:08には松原選手不在時に右サイドをカバーする喜田選手、73:28からは喜田選手の激しいアプローチ3連発が見られます。

86:50のカバーリング範囲もすごいですね。

他にも良いシーンはありますが省いたシーンもありますし、私が見落とした場面もあるかもしれません。

喜田選手一人に注目して試合を観てみても十分すぎるくらい楽しい試合だと思うので、GWなのにあまり外にも出られないし少し時間が取れそうだなという方はそんな視点でFC東京戦を見返してみるのもおすすめです。

正直なところ、私も初見では分析と言うより楽しく試合見ちゃってるので、ここまで詳しく把握していません。

いや、分析するつもりで見てもきっと一回では把握しきれないかな苦笑

お時間があればこそではありますが、試合を見返してみる楽しさもあると思うので、お時間許す方はぜひあらためてご覧ください。

<港町ダービーに向けて>

次はヴィッセル神戸と港町ダービーですね。

首位川崎についていくために、好調な神戸相手でも勝ち点3は必須です!

日程的にスカウティング記事も書けそうなので、書いた際にはまた見ていただけたら嬉しいです。

このご時世ですのでみなさんご自愛いただき、応援する側も良いコンディションで次の試合を迎えましょう。

私はルヴァンは見られないのですが、見られる方はそちらもぜひ応援してください!

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