【レビュー】2021明治安田生命J1リーグ第15節、横浜F・マリノス VS 柏レイソル

分析

うーん、悔しい引き分けでした。

鹿島戦の敗戦を晴らすがごとく、ルヴァンに続きリーグでも勝ちたかったところなので残念ですね。

新しいシステムには期待が持てただけに、今後のためにも勝ち点3で終えてほしかったです。

ただ、柏レイソルの敷いてきたマリノス対策が素晴らしかったと相手を褒めるべきかなと思いますし、マリノスもよく追いついてくれたとも言えます。

松原選手(27)のミドルは、大分戦よりもいつかの名古屋戦を思い出させました。

最小失点で済んだのは高丘選手(1)の存在も大きかったですね。

川崎を気にするとストレスになりますが、私たちファン・サポーターもここは謙虚に一戦一戦たたかいましょう。

今日は新システムのビルドアップについて記事にしてみました。

<光明が見えた新旧10番共存システム>

私はルヴァンカップはキクマリのハイライトでしか見られないので、マルコス選手(10)&天野選手(14)の共存システムをしっかり見たのは初でしたが、開始早々に一つの良さが出ました。

畠中選手(4)からのパスを受けたティーラトン選手(5)に神谷選手がアプローチを仕掛けます。

ティーラトン選手はタッチライン沿いにパスを出し、天野選手が神谷選手の背後&椎橋選手の脇でボールを受けます。

ボランチの一角が、このポジショニングを取れるのは天野選手を起用するメリットですね。

仮に椎橋選手が天野選手にぴったりマークにつくようならマルコス選手が空くわけです。

こうして、ビルドアップの出口がマルコス選手以外にもう一つ生まれるのはマリノスにとって大きいことであって。

これまでビルドアップで苦しんだ試合がいくつかありましたが、このシステムが一つの解決策になり得ますね。

1アンカーのような形になる喜田選手(8)ですが、逆サイドの松原選手(27)がこうして絞ってサポートに来ているのもポイントです。

まったく同じボールの引き出し方が04:45にも見られるので、もし試合を見返す予定のある方はチェックしてみてください。

逆サイドではマルコス選手が同様のパスの引き出しをおこなっています。

天野選手がやはり高い位置を取っていますが、このようにビルドアップでは中盤は逆三角形の方が良いでしょう。

これまでマリノスのビルドアップが上手くいかない際は、パスの出し手側ではなく受け手側の枚数不足の問題の方が大きかったと思うので、後ろに重いポジショニングにならない天野選手の存在は大きいです。

マルコス選手の負担も減るので、少し調子を落としている感のあるマルコス選手の調子も戻ってくると思います。

やることが多すぎると、最後の精度を高める作業に集中する余裕が無くなりますからね。

喜田選手と扇原選手(6)の併用だとどうしても後ろに人が多いことが頻発しますし、それだと畠中選手のせっかくのパスの多彩さも消えてしまいます(喜田選手、扇原選手が悪いというわけではなく組み合わせの問題です)。

このように畠中選手からズバッと好パスが入るのも、久しぶりに見た感じが私はしました。

最近は、彼らしくないパスミスが多かったですよね。

パスミスは出し手側の問題と思われることも多いですが、受け手側が良い状態に無いと出し手側も無理せざるをえなかったりしますよね(畠中選手側に100%原因のあるパスミスもあったことは否定しません笑 でも、やっぱり畠中選手はパスが相当上手いです)。

この試合でもったいないのは、前半の飲水タイムを境に、ビルドアップ時の中盤を正三角形にした感じがあることです。

これは正直悪手だった可能性があります。

ただ、前半39分以降にはまた逆三角形に戻しているので、少し試しただけなのかもしれませんし、悪手と判断して戻したならそれは素晴らしいことです。

天野選手が入るとボール回しがかなりスムーズになりますし、深入りはしませんが02:30からの流れるようなパス回しは、天野選手がいるからこそ再現性がありそうです。

03:40あたりの流れ、天野選手のスルーパスの狙いも面白いです。

こういう攻撃のアイデアがあるとチームとしての引き出しは増えますし、相手としても守るのが大変でしょう。

新システムの課題は、シンプルに練度を高めることですね。

この試合の前半は、スムーズなパス回しができるからこそ少し気持ちが乗りすぎてしまって、大味というか悪く言えば雑なプレーも多かったです。

ただ、このあたりは数をこなせば馴染んでくるものでしょう。

だからこそ「勝てなかったからダメ」ではなく、システムの機能性の良さという将来性を大切にしてほしいなと思います。

天野選手の役割は渡辺選手(26)もできますし、喜田選手と扇原選手のポジション争いも面白そうです。

そして、このシステムの最後のピースは左WGに仲川選手(23)でしょうね。

今シーズン好調な前田選手(38)を起用できなくなるのは残念すぎるのですが、左WGだと良さが少し消えてしまいます(それでも昨年左WGを務めたときよりずっと良いです)。

神戸戦では(レビューには書きませんでしたが)前田選手のいない右サイド偏重のビルドアップになっていたのも少し示唆的かなと。

仲川選手だとビルドアップでよりスムーズに絡めますし、15:12のチャンスシーンも仲川選手なら抜け出せていたかもしれません。

CFで前田選手を使うか、でもオナイウ選手(45)も得点力にポストプレーにと相当効いていますしね。悩ましい。

レオ選手(9)もいますし、相手の特徴によって各選手を使い分けることができれば一番良いと思います(監督には難しい判断が求められますが、そこはボスに期待!)。

今シーズン、現状で調子が良いのは正直仲川選手よりも前田選手だと思うので(しかも二人の今の調子には差がある)、この意見には反対の方も多いかなと思いますが、一個人としてはこんな感想を持ちました。

<後半の修正>

今回の本題ではないので簡単に書きますが、後半の頭にはポジショニングが整理されましたね。

2-3-5のような形で流動的に攻めていました。

特に両SBはかなり縦横無尽にポジショニングを取っていました。

飲水タイム時の選手交代後は、このような形に見えました。

ただ、天野選手は喜田選手の隣に降りてくることが多かったですね。

最後の交代後はこんな感じです。

天野選手と同様に渡辺選手も降りてくることが多かったです。

後半は一貫して2-3-5、選手のキャラクターによってポジショニングや振る舞いは微調整という感じですね。

<4-4-2対策の妄想システム>

柏レイソルのソリッドな4-4-2ブロックに苦しんだこの試合でしたが、こんなビルドアップの形もありかなという妄想もしてみました。

ハーフタイムにTwitterでこんな呟きをしました。

ただ、前田選手のハーフレーン配置はやはりやりづらそうなので、より最適化させて以下のような形。

右は、状況に応じてエウベル選手(7)と松原選手は逆でも良いと思います(エウベル選手の中央でのドリブルも面白いですが松原選手がハーフレーンからスルーパスを出すのも脅威になるでしょうから)。

水沼選手(18)が出場している際は、彼の神クロスを生かして水沼選手が大外が良さそうですね。

相手の1列目の2人に対しては、後ろの3-1で攻略。

4-4ブロックの間に人を配置して、そこにボールを送り込み続ける。

間で受けたら崩しのフェーズに入れますし、2列目のプレスバックが早ければバックパスしてやり直せばOKです。

オナイウ選手はたまに降りてボールを受けることも効果的ですが、基本は最前線に張ってマルコス選手や天野選手にボールを落とすことと相手CBとの裏への駆け引きがメインの仕事です。

相手が4-4の門をしっかり閉じて対応するならサイドを変えてやり直します。

いずれ相手のスライドが間に合わない場面が出てくるでしょうし、間受けのくさびを狙いつつも相手SHがインターセプトを目論むようなら大外へ。

横幅を取る大外の選手にボールが渡った際は、ハーフレーンの選手が縦に抜ければまた選択肢が増えそうです。

この図だと、天野選手に椎橋選手がついていくならマルコス選手、ついていかないなら天野選手にパスを出すのが有力ですが、オナイウ選手に直接斜めのパスというのも面白いですね。

ただ、ある程度固定的なポジショニングになるので、ボスの好みのサッカーではないかなと思います笑

自分もどちらかと言うとボスのサッカーの方が好きですが、一つの手段としての話ですね。

<気持ちを切り替えて大分戦へ>

ホームで引き分けは悔しいですが、気持ちを切り替えて次に向かいましょう!

川崎は強いけど、まだまだ優勝を諦めるには早いです。

でも、川崎を意識しすぎてもファン・サポーターも疲れちゃうので、目の前のマリノスの試合を一戦一戦応援しましょう。

「いま、この瞬間を戦う選手たち」

私たちも「いま」を大切にして彼らを全力で後押しして、その先に優勝が見えてくるかどうかは他力も絡みますし後々の話です。

愛するチーム、選手を応援できる喜びを噛み締めつつ、大分戦こそ勝利を掴みましょう!!

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