【レビュー】2021明治安田生命J1リーグ第16節、大分トリニータ VS 横浜F・マリノス

分析

いやー、難しい試合でしたが、我慢の勝利ですね!

ボールを持てどもなかなかゴールに直結しない展開に、もどかしさを感じた方も多いんじゃないかと思います。

後半はともかくとして、前半あれだけ引きこもられるとゴールを割るのは大変ですね。

だからこそ、苦しんだ中でこじ開けたゴールの価値は大きかったです。

このところの天野選手(14)は凄すぎますし、前田選手(38)も教科書通りの叩きつけるヘディングでした。

リーグ戦で久しぶりの出場だった小池選手(25)も攻守に目立っていましたし、渡辺選手(26)、岩田選手(24)のボランチコンビも素晴らしかったです。

仲川選手(23)は、まだあまりコンディションが良くなさそうですが、気長に待ちましょう(筋肉のつけすぎでキレが落ちたとかで無ければよいのですが)。

レオ選手(9)はまだ連携面が課題で、ゴールに飛び込んで欲しい場面で感じていなかったりしますが、こちらも時間が解決してくれると信じたいですね。

何より、Away大分戦は去年、一昨年と敗れていたわけで、たとえ最小得点差でも勝てたことが尊いです。

厳しい日程の中で、メンバーを変えつつ勝ち点3を取れたのは大きいことですから。

今回は、ボランチで奮闘した渡辺選手のビルドアップ時の貢献について、記事にしてみました。

<気の利いたポジショニングと判断、それに伴う技術も一級品のスーパーなボランチ>

・・・見出しが長くてすみません笑

まず大分戦のビルドアップの仕組みから触れると、前節とは異なり中盤を逆三角形にはあまりせずビルドアップをおこなっていました。

これはおそらくボランチの組み合わせの問題なのかなと思います。

前節の天野選手&喜田選手(8)コンビと比較すると、ダブルボランチで攻撃時の役割をはっきり分けたくなかったのかなと。

トップ下もできる渡辺選手ですが、相方の岩田選手も良いミドルシュートを持っていますし、実際この試合でも3本のシュートを放ちました。

二人共に攻撃時の特徴を発揮できるよう、彼らの魅力を消さないようにということだと思います。

大分の守備ブロックが前半の頭は4-4-2だったので、ボランチの一人が2CB間に降りることも多かったのですが、どちらかと言うと渡辺選手の方がその頻度は高かったです。

しかし、後ろでボールを安定させる仕事のみに終始しないのが、渡辺選手の魅力の一つです。

畠中選手(4)がボールを持つこのシーンでは、まだボランチの位置にいる渡辺選手。

エウベル選手(7)にボールが入ると同時に縦へ抜けてボールを受けクロス、これがマルコス選手のシュートへと繋がりました。

渡辺選手が相手2トップの背後にポジショニング。

畠中選手を経由して受けたボールをすかさずエウベル選手へ。

ボールを受けて浮き球を送るまでがとにかくスムーズです。

時間は飛びますが、似たようなシーンが後半にもありました。

マリノスのショートカウンターから大分がなんとかクリアしますが、そのボールが渡辺選手のもとへ。

相手のクリアボールをトラップしてから浮き玉のパスを出すまでおよそ1秒、フリーのレオ選手(9)にボールを送ります。

ボールは少し長くなり味方に合いませんでしたが、相手が間に合っていないエリアへのパスは判断として秀逸です。

少しもたつくと相手が戻ってきてしまうわけですから、素早く処理できるのは素晴らしいですね。

時間は戻って26分22秒、地味だけど大切な話へ。

この場面、ティーラトン選手(5)が中央に入っていますが、畠中選手がボールを持つと同時に左のパスコースを確保してあげています。

これによって、渡辺選手がボールを受けてもいいですし、町田選手が渡辺選手を気にするようなら畠中→マルコスという縦パスも入ります。

このシーンが象徴するように、渡辺選手はチームに数多くの選択肢を用意するためにひたすら走り回ってくれます。

次のシーンも同様です。

高丘選手(1)がボールを持っている際はここにいる渡辺選手ですがー。

チアゴ選手(13)にボールが渡ると、右へのパスコースを作ってあげます。

下田選手が渡辺選手に引っ張られることでマルコス選手(10)が空きますし、それを嫌がって三竿選手が最終ラインから飛び出すというひずみが生じています。

大分のこのアンバランスさは渡辺選手が外に開くことで生まれているわけですね。

大分は、前半の途中(07:55にエウベル選手の飛び出しを許した後あたり)からボール非保持時に5-4-1にしたように見えました(もしかしたら、4-4-2継続でエウベル選手のマークを高畑選手が担っていただけかもしれません。後半は間違いなく5-4-1だと思います)。

この場面は、マリノスの右サイド側から中央にボールが送られますが、5-4-1の4のスライドが間に合っていません。

ティーラトン選手にボールが入った時点で5-4-1の4の右端にいる町田選手がアプローチしますが、そのさらに脇に渡辺選手が位置することでフリーで受けられます。

この渡辺選手に対して大分は最終ラインから小出選手が飛び出して対応しようとします。

それができるのは5バックの利点ですが、坂選手と高畑選手の間の大きなスペースはマリノスとしては狙い目になりえますよね。

このシーンでは畠中選手の左のパスコースはティーラトン選手が担っているので、今度は相手のブロック間で受けようとします。

レオ選手がマルコス選手側に流れていくのを確認して、レオ選手のいなくなるスペースにもパスコースを提供してくれているわけですね。

次が最後のシーンになりますが、このシーンは記憶に残っている方も多いかもしれません。

やはり相手の選手間にポジショニングして畠中選手からパスを引き出そうとします。

畠中選手はティーラトン選手を選択しますが、それと同時に縦へ抜けて裏でボールを受けることに成功。

相手に競り勝ちクロスを上げ、最後は小池選手の折り返しから仲川選手のシュートはオフサイドとなりました。

このように、ビルドアップのみに焦点を当てても、さりげなく効いていることが多いのが渡辺選手ですね。

ポジショニングが良いだけでなく、ボールを受けてもファーストタッチ一つでターンができるなど、ボールに対する処理速度が早くプレーがスムーズです。

アジリティに優れ、オープンスペースに飛び出せる、自分がオープンになればドリブルで運ぶこともできる、アプローチに来た相手に対しパス&ムーブで入れ替わり再度受けることができるなど、攻撃面での貢献度が高いです。

守備でも素晴らしいアプローチ、インターセプト、SB不在時のカバーリングと効いていました。

渡辺選手は十分スタメン争いに割って入ることができる選手だと思うので、今後が楽しみですね。

<中3日で連勝へ>

次節は日曜に清水戦ですね。

不調だったはずの清水がFC東京に3-0と快勝していますが、ここは叩いて連勝といきましょう。

タイトな日程ですが大分戦を休めた選手が何人かいますし、レギュラー争いも盛り上がってきた感があります。

良い雰囲気で清水戦に臨めると思うので、勝って代表ウイークに入りたいですね。

勝てば川崎との差がまた詰まる気もするので、期待しましょう!

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