【レビュー】2021明治安田生命J1リーグ第21節、柏レイソル VS 横浜F・マリノス

分析

いやー、感動しました!

10人になっても勝ち点3を信じてアグレッシブに戦う姿勢。

一貫して強気なベンチワーク。

数的不利の中でも、最後まで前へ前へと走り抜く選手たち。

このチームを応援してきてよかったと強く感じました。

惚れ直しました。

横浜F・マリノスというクラブは、尊敬に値するプロフェッショナル集団ですね。

大きな大きな5連勝です!

ティーラトン選手(5)→前田選手(38)→オナイウ選手(45)と繋いだ先制点、最高でしたね。

2点目も前田選手らしいプレッシングからの得点でした。

さすがA代表と五輪代表のストライカーです。

2点目のシーンで、キム・スンギュ選手がチアゴ選手(13)のためにボールを外に出そうとしていたのかは定かではありませんが、前田選手が責められる謂れは全くありません。

10人中9人が「これは一旦プレーを切るだろうな」と感じるシチュエーションで初めて議論になりうる話であって、今回はその例では無いと思います。

最高のゴールでした。

小池選手(25)の後半終了間際の前線への駆け上がりに心打たれました。

岩田選手(24)も攻守両面でたくさん顔を出していましたね。

畠中選手(4)のアクシデントにより緊急出場になった實藤選手(19)も落ち着いて試合に入っていました。ベテランの味ですね。

マルコス選手(10)も今回の失敗を次に生かしてくれるはずですし、勝ち点3で反省できるのは良いことです。

ただ、神谷選手の怪我が重くないことだけは祈りたいですね。

選手については全員に触れたいくらいですが、冗長にならないようこのあたりにしておきます。

今回は後半の4-3-2システムについて素人なりに考察してみます。

<4-3-2システムという大胆な決断と勇敢な選手たち>

このシステムに変更したハーフタイム明け、私はこんなツイートをしました。

この采配を見たときに震えましたね。「これは勝ちに来てるな」と。

4-4-1だと守備ブロックを作るには良いけど、前半の4-4-1を見るに攻め手があまり見えない感じがしていました。

「後半のどこかで2トップにするかな」とは思ったのですが、まさか後半開始からこの采配とは。

ただ、落ち着いて振り返ると、相手のシステムとの噛み合わせを見ても理に適っています。

後半開始時のシステムを図で確認しましょう。

1人少なくなったときに大切なことは、「どこを捨ててどこを守るか」という判断だと思います。

このシステムで捨てているのは柏のWBです。ここはある程度ボールを持たれても仕方ない。

柏のWBのキャラクターを見ての判断というより、どちらかと言うと柏の攻撃戦術を分析してWBを捨てることにしたように感じます。

柏はロングボールをペドロ・ハウル選手に当てる攻撃をしていたので、4-4-1により中盤を数的不利にしてセカンドボールを拾われるよりマシだと。

相手のシステムとある程度噛み合わせることで守備で後手を踏まないように、攻撃では相手と噛み合ってしまっても運動量とパスワークで掻い潜っていけるという判断なのでしょう。

昨年の川崎戦で4-3-2の手応えがあったのも、この決断を後押ししたのかもしれません。

これは素晴らしい采配だったと思います。

自分も試合中にこういうことを前もって冷静に呟けたらかっこいいんですけど、まだまだ未熟ですね笑

言い訳するなら試合中は分析モードではなく応援モードになりすぎてて・・・はい、あくまでも言い訳です笑

さて、実際に印象に残ったシーンを2つ取り上げてみます。

まずは、高野選手(16)のシュートに繋がったビルドアップです。

DAZNはリプレイ明けで、チアゴ選手がボールを持っているところから始まりました。

このシーン、数的優位であることを生かして柏はほぼマンツーマンでプレスをかけに来ています。

喜田選手(8)を追ってヒシャルジソン選手が深いところまで出ているのが印象的ですね。

マンツーマンで守備をされると「フリーな仲間を見つけつつボールを繋いでビルドアップ」はできないので、パスワークをしつつマークをはがす技量が求められます。

チアゴ→岩田と繋がったボールを3人目の動きで小池選手が引き取ります。

流れから、小池選手と岩田選手のマークを三原選手と三丸選手で交換する形になり、小池選手に独走を許します。

小池選手を当初のマーカーである三丸選手が追いかけたら、もしかしたらもう少し早く捕まっていたかもしれません。

フリーの小池選手を止めるためにドッジ選手が扇原選手(6)のマークを捨てて小池選手に向かいます。

この時点で柏のマンツーマンディフェンスは崩壊しています。

それを生み出したのは岩田選手のパスと小池選手の推進力だと言えるでしょう。

扇原選手がフリーになりましたが、高野選手が高橋峻選手を引き連れて中央にランニングしているので少しだけ扇原選手は使いづらい状況です。

しかし、ドッジ選手自身も高野選手を気にして小池選手を離したことで更に小池選手は前進します。

ここでのドッジ選手の対応はミスと言えばミスですが、気持ちはよくわかります。

そもそも小池選手のマーク担当ではなかった中で、扇原選手を捨てたことが気がかりにはなっているはずであって。

そちら側から別の選手がもう一人現れたとなると危険な雰囲気がしてきますし、そろそろ三原選手が小池選手に追いつくはずという計算も正しい計算です。

だからこそ、この後に小池選手がもう一度ギアを上げて三原選手を引き離したのは素晴らしいプレーですね。

そして、数的同数の背後を気にせず、攻撃を完遂するという意識で前線に駆け出す選手たちはやはり勇敢です。

『Brave and Challenging』ですね!

高野選手がボールを受けた際には柏の守備陣形は混乱に陥っています。

ここで前田選手にパスが出れば解説の戸田さんのおっしゃるようにパーフェクトな攻撃だったと思います。

パスが出なかったのは残念でしたが、ここまで前田選手がフリーだと思わなかったでしょうし、周りを見る余裕が無い密集だったので致し方ない面もあるかもしれません。

10人で両SBが最前線まで出ているリスクを考えると、ディフェンダーとしてはシュートで攻撃を終えたいという気持ちになるのもよくわかります。

私も中学生のときに10人の試合でSBをやったことがありますが、最前線まで出てきた後の被カウンターは地獄でした苦笑

いずれにしても後半開始早々にこの攻撃が与えたインパクトは大きく、53分台のマンツーマンハイプレスまで空転したことで、柏としてはこれ以降マンツーマンハイプレスはできなくなりました。

次に、もう1つのシーンです。

柏の右サイドからのセンタリングが流れて、小池選手がトラップしたところからビルドアップが始まります。

正直この配置で繋ぐ判断をしたというのは凄いですよね。

小池選手にとって右前のスペースに味方がいればその判断もできますが、ここで中につけるのは怖さもあるはずです。

『Brave an…(しつこい笑)

小池選手からのボールをトラップスルーでかわした扇原選手から岩田選手が引き取って再度小池選手へ。

当然のように三丸選手を置き去りにスプリントをしている小池選手がたまらないですね。

今回は小池選手を三丸選手が追いかけていますが、ここまで前進することに成功します。

オナイウ選手の絶妙なパスで岩田選手が抜け出し2対2へ。

最後の岩田選手のパスはずれましたが素晴らしい攻撃でした。

ここまで2つの攻撃について触れましたが、高丘選手(1)の存在も大きいですね。

10人の数的不利であっても高丘選手はビルドアップ時にフィールドプレイヤーとして計算に入れられますし、柏としては自陣最終ラインの+1を担保するには、高丘選手をフリーにせざるを得ません。

ビルドアップで詰まりそうなら一旦高丘選手からやり直せばいいというのはチームに精神的安定をもたらしたでしょう。

<6連勝で五輪期間へ>

次節は前田選手、マルコス選手を欠いての試合となりますし、畠中選手の状態もまだわかりません。

それでもこのチームならきっと連勝を6に伸ばしてくれると信じています!

相手は難敵アビスパ福岡。

全く油断できない相手ですが、勝って中断期間に入ってほしいですね。

選手のみなさん、すごく疲れたと思うのでゆっくり休んで、また来週の試合に向けて準備してください。

監督始めコーチングスタッフ陣も頭が疲れたと思うので、選手同様一息ついてください。

応援するみなさんも、このご時世ですのでどうかご自愛いただき、また福岡戦で力強くマリノスを後押ししましょう!!

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