【レビュー】2021明治安田生命J1リーグ第24節、横浜F・マリノス VS 大分トリニータ

分析

(お時間を取って当ブログにお越しいただきありがとうございます!本記事を読みつつ快勝に再度浸っていただけたら幸いです。)

大量5得点で連勝!

最高の試合でしたね!

大分の片野坂監督が用意した策はマリノスを苦しめるはずの素晴らしいものだったと個人的には感じました。

ただ、それを上回るパフォーマンスと対応力をマリノスが見せてくれた、そういう試合だったかなと。

中2日の4戦目と思えない運動量と何点とっても攻め続けるアタッキングフットボール。

ゴン攻めって言葉が最近流行ったらしいですけど、きっとマリノスのことを表現した言葉ですよね?笑

冗談はさておき、「優勝は俺たちがもらう」という強烈なメッセージを川崎に与えた試合でした。

課題はコーナーキックの守備だけですね。後半の立ち上がりはかなりヒヤヒヤしました。

こうなってしまったときのために、ゾーンではなくマンマークに切り替えるというセットプレー守備の引き出しは増やしておいてもいいのかもしれないとは少し思いました。

選手に触れていくと、レオ選手(9)は2ゴールできてホッとしたでしょうね。

私は前回の記事でも書いたように特に心配していませんでしたが、数字がついてこないと本人はやはり気にするだろうと思うのでよかったです。

前半終了間際の勝ち越しゴール、そして相手の流れを凌いだ後の追加点と時間帯も最高でした。

ただ、レオ選手の価値の高さはゴール以上にポストプレーで発揮された試合だったかなと思います。

後半のコーナーキックによる波状攻撃を受けて苦しい時間帯に試合を落ち着けてくれました。

仲川選手(23)もゴールは無くともアシストは積み重ねていて、途中出場の天野選手(14)は相変わらずキレキレでしたね。

扇原選手(6)、岩田選手(24)のビルドアップでの貢献は大きかったですし、小池選手(25)の上下動もすごかったです。

そして、やはり前田選手(38)ですね。

ハットトリック、1アシスト、1起点、スプリント64。

スプリント60越えでハットトリックなんてギネスに申請したら通るんじゃないかな笑

チーム4点目のループシュートはあまりにも美しすぎました。

月間ベストゴールどころか年間ベストゴールに選ばれて欲しいほどです。

さて、華々しい活躍がたくさん見られた大分戦ですが、今回はひっそりと大きな貢献をした和田選手(33)に注目してみたいと思います。

<相手の奇策に対しいち早く攻略の道筋を見つけた和田拓也>

正直なところ事前の想定と異なったであろう大分のシステムにマリノスは少し面食らったようには見えました。

相手のプレスによってボールを奪われるシーンがたびたび見られ、序盤から大分に決定機が生まれます。

そんな中で和田選手が誰よりも早くビルドアップの解決策をチームに提示してくれました。

どんな解決策かと言うと・・・珍しく(笑)試合冒頭のTwitterでのつぶやきが当たっていたかなと思うので載せておきます。

ポジションのイメージとしては下の図の通りです。

中央に和田選手を置くことで中央を4対3の数的優位にします。

中央の数的優位を生かしてビルドアップできるならそれも当然ありですが、本命のターゲットは大分の右SH増山選手のところで、畠中選手(4)を起点にボールを動かします。

中央に絞る和田選手に増山選手がついていかないなら素直に和田選手にボールをつけて、その後、前田選手orマルコス選手(10)orレオ選手へ。

もしも和田選手を気にして増山選手が中央に絞るようなら・・・

前田選手へのパスコースが開くことになるので、畠中→前田とサイドに展開してマルコス選手が縦に抜け、前田→マルコスで裏を取る。

もしもそれを嫌がって上夷選手がマルコス選手についていくなら・・・

上夷選手がいなくなったスペースを利用してレオ選手へのパスで中央を崩します。

増山選手は大分へ加入して間も無く守備の連携面で課題があるかもしれませんし、明確に彼のところをきっかけに壊して行こうという意図ですね。

では、試合での場面を切り取ってみます。

最後はパスミスで終わる場面ですが、チラチラと前田選手のことを気にする増山選手に対し和田選手が中央でボールを引き出します。

右からのビルドアップが跳ね返された流れですが、畠中選手まで突っ込んだ増山選手の戻りが甘いので和田選手がボールを引き出します。

安易にサイドで受けるのでは無く中央で受けることでその後の選択肢を増やしつつ、前田選手へと展開しました。

相手を押し込んだ流れですが、トリプルボランチのようなポジショニングですね。

マルコス選手に引き付けられて増山選手が不在のスペースでボールを受け、その後岩田選手の強烈なシュートに繋がります。

この場面は和田選手がどうこうではなく単に増山選手のミスかなと思いますが、しっかり寄せ切れないのにも関わらず畠中選手へアプローチに行った結果、開いた和田選手にふわっとパスを通されます。

増山選手の守備を大分はやはり気にしていたようで、前半の飲水タイム後から、前線を伊佐選手&増山選手、右SHを小林(成)選手の4-4-2へと切り替えています。

扇原選手が斜めに降りることで小林(成)選手を引っ張り、空いたスペースに和田選手が侵入してボールを受けます。

今度は逆に、和田選手が中央に位置して小林(成)選手を中に釘付けにしつつ、和田選手は前田選手の方向を指差します。

結果的に、開いたマルコス選手がフリーでボールを受けることに。

相手がシステムを変えても大分の右SHを狙い撃ちにする構図は変わりませんでした。

これは和田選手のセンスあってのものかなと思います。

時間が取れず前半だけしか振り返れませんでしたが、奇策を打った相手に対してチームに落ち着きを与えた和田選手の凄みが読者の方に伝わっていたら嬉しいです。

解説の岩政さんから26:13に「マリノスは左に偏重しているのが良いのか悪いのか」という的確な指摘がありましたが、「左は和田選手のおかげで早めに解決策が見つかったので良くも悪くもこうなった」というのが私の感想です。

ただ、和田選手が「中央に絞る」という解決策を見つけてくれていなかったらもう少し混乱は続き試合の流れを奪われていた可能性もあるかもしれないので悪いことではないと思います。

もっとも、右のチアゴ選手から中央のマルコス選手にパスを通す場面も21:24にありましたし、右のビルドアップが全くダメだったとも思わないですけどね。

<余談>

前半の飲水タイムを機に4-2-3-1→4-4-2に大分が変更した直後のことです。

ちなみに私は大分が4-4-2に変更したことにもまだ気付いていない時間です笑

高丘選手(1)が畠中選手からのバックパスを受けて、右に展開する雰囲気を出しつつ左へと蹴り込みます。

和田選手がこの場面では横幅いっぱいで受けて、小林(成)選手に対して扇原選手と二人でいじめる構図が出来上がります。

相手のシステム変更を突いた素晴らしいプレーですね。

この場面は和田選手というよりも高丘選手の好判断かなと思いますが、こういったセンスのある展開のできるGKを有しているのもマリノスにとっては大きいですね(もしかしたら画面の外で和田選手が手を広げてボールを要求していたのかもしれませんが、要求通りにこのボールを蹴れるだけでも凄いです)。

<連勝街道再開!>

中2日の連戦が一旦途切れましたが、8月は試合が多いので選手たちにはゆっくりコンディションを整えて欲しいですね。

上位陣との対戦も待っていますが、連勝を積み重ねて無敗の川崎を苦しめてやりましょう!

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