【レビュー】2021明治安田生命J1リーグ第4節、横浜F・マリノスVS浦和レッズ

分析

祝、連勝!!そしてホーム初白星!!

いやー、良い試合でした。楽しかったですね。

私はスカウティング記事でこんなことを書きました。

3-0予想が当たったと言える?いや、予想に反して一方的な試合になりましたね。まだまだ得点が取れた試合でした。

松田直樹さんへのリスペクトをこめて3点にとどめたと思っておきましょう。

浦和レッズが、マリノス相手でもボール保持にとことんこだわってきたのが予想外でした。

マリノスはスカウティングで良い準備をしていましたね。そして、それを結果へと体現させた選手も素晴らしいです。

レッズがディフェンスラインでボール回しを始めるとワクワクするくらいハイプレスがはまりました。

今回は、浦和レッズのビルドアップに対するマリノスのハイプレスに焦点を当ててみます。

<用意されたハイプレス戦術>

戦術がどうこう以前に、試合序盤から前田選手(38)が最終ラインやキーパーを追い回してボールを引っ掛けていたことが、主導権を握ることに繋がりました。

相手にとってはきっと繋ぐにあたり嫌なイメージを持ってしまったでしょうね。こういうのが地味に効いてくるものですから。

19分05秒の場面から振り返ります。

18分55秒、岩田選手(24)のミドルシュートが西川選手に止められた10秒後、地上戦を仕掛けてくる相手に対峙している図です。

対応関係を丸で囲んでみましたが、槙野選手&阿部選手をマルコス選手(10)が一人で見て、後方ではCBが一人余るように杉本選手につく、それ以外は1対1という状況です。

レッズは攻撃が試行錯誤の段階で、ボールを繋ぐにあたり練度はまだ高まっていません。

こうしてマークをはっきりさせて、自分のマークする相手にボールが入ったら厳しくアプローチするという基本的な策がここでは見られました。

レッズとしては、ボールを動かしながら西川選手・槙野選手・阿部選手を使えればよかったのですが、試合序盤に相手に引っ掛かりまくったイメージもあってか、そのリスクをこの場面では負えませんでした。

結局ロングボールがずれ、畠中選手(4)が回収したというシーンでした。

この場面では、マルコス選手が槙野選手と阿部選手の中間ポジションに位置しています。

その他の対応は丸をつけませんでしたが、概ね見て取れると思います(エウベル選手(7)は明本選手をカバーシャドウで消しているというより、まだチームの守備をモノにできていないのかもしれません)。

西川選手に戻されたボールに対し、前田選手は岩波選手を消しながら寄せていきます。

ここで、マルコス選手は明確に槙野選手へアプローチし、扇原選手(6)は阿部選手へとマークを切り替えます。

扇原選手が伊藤選手を捨てフリーにしましたが、これは前田選手のアプローチが良く西川選手と言えどそこには通せないという計算があります。

結果、汰木選手に蹴ったロングボールを仲川選手(23)が回収。

マルコス選手と扇原選手のマークの受け渡しが自動で行われているのを見ても、おそらく準備してきた形なんだろうと思います。

先ほどの場面が基本的な策ならば、この場面は応用編でしたね。

西川選手からボールを受ける伊藤選手に扇原選手が猛然とアプローチしペナ内まで押し込み、奪いそうになったボールを仲川選手が回収するシーンにつながる図です。

槙野選手を切りつつGKにマルコス選手が寄せた後なので、瞬間的に槙野選手がフリーです。

伊藤選手はワンタッチで槙野選手に出すべき場面だったかと思います(前半のみで交代になった理由の一つかもしれません)。

注目したいのは仲川選手のポジションですね。阿部選手を監視しながら山中選手にも行ける位置取りを取っています。

得点に繋がったシーンも振り返りましょう。

宇賀神選手からパスを受けた岩波選手に前田選手が寄せます。

西川選手に返ってきたボールは阿部選手へとつけられますが、ここで仲川選手は阿部選手と槙野選手の中間ポジションに、マルコス選手は阿部選手と伊藤選手の中間ポジションに位置していました。

マルコス選手が阿部選手に寄せると、阿部選手は判断よくフリーの岩波選手へ。

マルコス選手はそのまま全速力で岩波選手まで寄せ、ボールは伊藤選手に繋がりますがそこは扇原選手が狙っていたと。これが前田選手の2点目につながりました。

前半だけでもこれだけハイプレスが機能していた場面があげられるというのは、チームとして良い準備ができていたということだと思います。

ボールを繋ぐ際の相手の位置取りや各選手の役割を丸裸にできていたからこそ、自信を持ってハイプレスを仕掛けることが出来たのでしょう。

34分23秒には、扇原選手がマルコス選手に対し「槙野をマークに行け」と指示を出しているシーンがあります。

プレスで相手をはめに行けるという扇原選手の判断でしたが、腰を痛そうに抑えているマルコス選手は呼応せず、扇原選手は「何で」と両手を広げます(34分30秒)。

これだけ自信を持って「ハイプレスではめるぞ」とコーチングしているのが、明確に戦前の準備があった証拠かなと私は考えています。

図にはしていませんが、37分45秒のハイプレスでのはめ方も相当なものでした。

「浦和レッズにはゾーンで守るより人を捕まえに行った方が良い」というお手本になった試合だと思います。

ゾーンで守ると小泉選手がその隙間で生き生きと仕事をしますからね。

分析班含めてチーム全体の勝利ですね。

<まとめ>

「良い攻撃のためには良い守備を」「良い守備のためには良い攻撃を」とはよく言われることですが、その好循環が結果に結びついた試合でしたね。

この守備が他のチーム相手でもできれば楽しい試合が続きそうですが、ボール保持を諦め自陣に引きこもるチームも多いでしょう。

だからこそボスは今年、遅攻もできるようにと考えているのかもしれません。

それにしても前田選手はノってますね。得点王を狙って欲しいです。

スタメン発表の記事で仲川選手を注目選手にあげましたが、2アシストで結果を残しましたね。もうゴールも近いでしょう。

毎試合3ゴールミッションなら、我が軍も川崎に負けていません!笑

次の試合が早くも待ち遠しいですね。

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