【レビュー】2021明治安田生命J1リーグ第5節、横浜F・マリノスVS徳島ヴォルティス

分析

3連勝!!

難しい試合でしたが、こういう試合を勝ち切れるというのも強さのうちです。

DAZNで観ているだけなのに疲れすぎて、試合後30分間は放心状態でした笑

選手たちはさぞ疲れたでしょうね。本当にお疲れ様でした!

先制点のあのシーン、前田選手(38)のボール奪取に2019年のエリキ選手(H札幌戦、A川崎戦)が重なりました。なかなか思うようにいかない試合だったからこそ、あの得点は大きかったですね。

徳島の守備に対してビルドアップがうまくいかなかったのは心配ですが、まずは勝ち点3を喜びましょう。

スカウティング記事やスタメン発表記事で書きましたが、ロングボールを蹴ってきた相手に対してチアゴ選手(13)、畠中選手(4)が河田選手に仕事をさせませんでした。

垣田選手(やはり怖い選手ですね)が入ってきて2トップになってからは苦しい時間もありましたが、何かが起きそうな雰囲気漂う試合を何も起こさず終えたのは素晴らしいことで、特にCB二人の貢献は大きかったですね。

ジャッジについてはVARがある以上2点目の取り消しは仕方ないと思いますが、マルコス選手(10)に提示されたイエローカードが試合を荒れさせましたね。

ラフプレーに対するカードだったようですが、あれは不可抗力です。

ゲームをコントロールするというのも主審の仕事の一つですから、控えめに言ってもあのイエローカードは悪手でした。

でも、そんな中でも勝ち点3を取ってくれてよかったです。

徳島も面白くて良いチームでした。

そして一夜明け・・・。

畠中選手、松原選手(27)、日本代表選出おめでとうございます!!

畠中選手は予想できていましたが、松原選手は良い意味でサプライズでした。

松原選手は何年ぶりなんだろう。本当に嬉しいですね。

しばらくマリノスの試合は無いけれど、良い気分でいられそうです。

では今回は、「4-4-2のハイプレスに対するビルドアップの改善案」「エウベル選手(7)の守備を見て感じたこと」の2本立てでお送りします。

<4-4-2のハイプレスを攻略するために>

いつもそうですが、ここから語ることはあくまでも一人の素人の意見です。

プロの監督やコーチ、分析官などスタッフが気付いていないことでは無いと思うので、これから語ることを採用していないのはそれ相応の理由があるはずです。

何かを取れば何かを失うことになりますからね。

読んでくださるみなさんには、「そういう見方もできるよね」「そういう見方をする人もいるのか」「いや、それは違うんじゃないか」と読んでいただけたら嬉しいです。

それでは本題です。

昨日見られたビルドアップがノッキングしてしまう事象について振り返りましょう。

特に、相手がハイプレスを強めてきた後半に多く見られました。

河田選手のミドルシュートがオビ選手(31)の正面へ。キャッチしたオビ選手からチアゴ選手にボールが渡ったシーンです(画面に映っていない選手も多いのですが、おそらくこういった形だと思われます)。

松原選手にボールが渡りますが相手に寄せられスローインに。

この場面は、扇原選手(6)に対し相手の2トップが門を閉めて対応しているので畠中選手に出すのがベストですね(チアゴ選手は少し河田選手に近いので)。

もしも門を閉じていない場合は扇原選手に出す、扇原選手がボランチによりマークされているならおそらくマルコス選手がフリーになっているはずなので、そこにオビ選手から中距離のパスですね。

相手は広大なスペースをどこかに作ってしまっているはずなので、そこにボールを置くように待ち合わせです。

オビ選手は高丘選手(1)ほど中距離パスの精度に自信は無いかもしれませんがチャレンジするしかありません。

オビ選手頑張れ!!君がやるしかない!!

・・・ただ、これだとあまりにも彼にかかる負担が大きいので別の策を用意してあげたいですね。

試合中こんなツイートをしてみました。

攻撃時だけ4バックではなく、3-4-2-1化してはどうかという提案ですね。

4バックだと、相手が4-4-2なのでハイプレスをかけられると最終ラインの選手は自動的に捕まります。

松原選手が相手を背負ってボールを受ける場面が多かったのも配置上の必然です。

余る中盤の誰かを効果的に使えないとビルドアップは苦しくなるわけですが、最終ラインに預けてからだとプレッシャーもかかっていますしパスコースも限定されています。

結果「余る中盤の1人」をなかなか使えず「時間とスペース」が生まれません。

ですから、配置上相手とずれることで優位性を作りたいのです。

高野選手が1列上がりエウベル選手は中に入る形で3-4-2-1です。畠中選手とチアゴ選手が逆だとより良いかもしれません。

この形ならば最終ラインで一人余りますから、余裕を持ってビルドアップできるはずです。

松原選手は3バックの右ができますし、高野選手も1列上げて「使われる側」にしてあげた方がプレーしやすいのではないかと(高野選手は徳島戦でボールのフィーリングが合わないのかビルドアップで辛そうでもありました)。

シャドーにいるエウベル選手とマルコス選手は浮きやすいので3バックの選手からこういうボールは入りやすいです。

相手のボランチがそのパスコースを消すなら扇原選手が空くのでそこを経由することもできます。

3バックの左右の選手が運ぶドリブルで前進することもできます。

運ぶドリブルで相手選手を引きつけて、その結果フリーになった味方にパス。

簡単に言うとこんな感じです。

簡易的に表現したので、もちろんこんなに簡単では無いのですが、最終ラインで「+1」を担保することと配置上のずれを作ることは有効ではないかと思います。

解説の戸田さんが「あまりサイドバックを動かさずに基本外側でプレーさせる場面が続いてますね(83分27秒)」「ポジションをあまり今日は動かさなかったなというのが印象に残りまして、4バックは基本的にポジションを維持したまま・・・(試合後)」とおっしゃっていたのは、もしかしたら同様のことを考えていたのかもしれません。

攻撃時にこういった配置上のずれを作らないのであれば、GKはフィールドプレーヤー並のキックの精度を持つ高丘選手が良いと思います。

ただ、オビ選手も良い選手です。

セービングの能力を買ってオビ選手の起用であるならば、配置上の優位性を確保するなどチームとしてビルドアップの改善策を用意してあげないとオビ選手も可哀想かなと。

空いた選手へのフィードなど「チャレンジはしているけどうまくいっていない・・・」「チームのビルドアップがヤバいのは自分のせい?」というのはオビ選手自身も感じてしまうでしょうし、そのメンタルがセービングに影響することがあれば踏んだり蹴ったりです。

オビ選手も試合の中でチャレンジしている場面はあり、それはポジティブなことですから、起用される中で精一杯のことをやっている彼が責められるとすれば気の毒かなと。

(僭越ながら一つだけ言えるならば、オビ選手は投げるにしても蹴るにしても緩いパスをチアゴ選手に出すのはやめた方がいいかなとは思いました。「時間とスペース」が受け手側に無くなってしまうので。特に、配置上噛み合う相手だと苦しくなります。)

GKがビルドアップできるに越したことはないですし、私も正直そういう選手を求めてしまうけど(高丘選手推しです)、いざ試合中にGKがビルドアップで困っているなら、何か解決策という手を差し伸べてあげてほしいなと感じました。

GKも年々やることが増えて大変なポジションですね。

<エウベル選手の守備と周りの対応>

エウベル選手の守備が危ういというのはおそらくマリノスファンの誰しもが感じていることだと思います。

エウベル選手が悪いという意味ではなく、その部分は発展途上であり彼の伸び代なので、そういう意味ではポジティブに捉えられる部分でもあります。

ただ、あまりにも周りが(良かれと思って)守備でサポートしすぎていて、試合で起用しても彼の守備が伸びていくのか不安にも感じます。

この試合で、象徴的なシーンがありました。

マルコス選手のシュートが上福元選手にキャッチされ、徳島が丁寧に繋ごうとするシーンです。

上図は、降りてきた浜下選手から岸本選手がボールを受けた瞬間です。

ここで、扇原選手がエウベル選手にアプローチに行くようコーチングしています。

エウベル選手がアプローチして、前田選手は福岡選手をマークしてはめるというのがセオリーですね。

しかし、ここで前田選手がアプローチに行き、ボールは岸本→浜下→福岡と繋がれて、プレスを回避されてしまいました。

エウベル選手は守備に関わることはなく、間も無くマリノスボールに。

これだときっとエウベル選手の守備はなかなか向上していかないかなと。

プレスをかわされていますし、目の前の試合に勝つための策としてもなかなか難しいです。

ただ、エウベル選手の守備を見ているとやっぱり不安はありますし、公式戦ですから前田選手がこうしてあげたくなる気持ちもわかるので、前田選手の判断ミスと断じてしまうのは心苦しいですよね。

他にも同様のシーンはありました。

48分27秒、福岡選手から浜下選手にボールが入ったシーンです。ボール付近の対応関係に丸をつけてみました。

この場面は前線で奪い切りましたが、エウベル選手を守備で計算に入れていない配置です。

「二人でボールを奪いに行ったのでは?」とも考えましたが、扇原選手がファーストディフェンダーになっており、エウベル選手と扇原選手の二人で組織的に奪いに行ったという印象はあまりありませんでした。

こういうシーンが頻発すると、今は大丈夫であってもいずれこの歪な構造を逆手に取るチームも出てくるかもしれません。

そもそもボスは試合で使いながら彼の守備を成長させるという方針でしょうから、彼の守備が成長しないようでは困るはずです。

それならば、きっと試合中に取るべき周りの選手の正解は「守備でもエウベル選手に最低限”11分の1”の仕事はやらせるようにする」「それで失点したり結果がついてこなくても責任は監督にあるから気にしないように努める」だと思います。

相手チームがエウベル選手のゾーンを狙ってきてチームが窮地に立つようなら、彼を起用した監督が悪い、単にそれだけだと。

そして、ボスはその腹を括って彼を起用しているだろうとも感じます。

エウベル選手の守備が致命的になる相手なら、彼を起用しないという判断は監督がすべきことですよね。

でも、周りはどうしても彼の守備に対して気を遣ってしまう(人として素敵なことではあります)。

ですから、彼を起用する際は「過度にサポートしなくて良い」「エウベル自身のために、彼にも守備で責任を負わせてあげてほしい」というメッセージを、周りの選手にはボスから伝えてあげてほしいなと思います(もしも伝えているならごめんなさいなのですが、エウベル選手出場試合を観た印象だと伝えてなさそうかなと)。

もっとも、彼のドリブル等攻撃での良さも見えるので、起用すること自体が疑問というわけでは全くないです。

初ゴールも近いのではないかと期待しています!

そして、いつかエウベル選手が守備でもマリノスを助ける選手になると思うので、そのときが楽しみです。

<次の試合まで>

ガンバ大阪戦が延期になったことで、次の試合まで少し開きますね。

開幕から過密な日程だったので、練習に励みつつ選手も監督等スタッフも十分リフレッシュしてほしいですね。

心身ともに良い状態でないと良い仕事はできませんから。

そして、ルヴァンの連勝、リーグ4連勝を期待しましょう!!

楽しい試合はしばらくありませんが、みなさんもこのご時世ですのでどうかご自愛ください。

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